基本フォルム代表髙橋のブログです
by Kihonform
このまえの週に断熱の吹付け第1段があったが、鉄骨部の吹付け範囲と厚みに設計図書と異なるところがあり、是正をお願いする。鉄骨造の場合、熱橋がポイントで、ここでは基本的には外断熱の体をとっているが、吹付けづらい箇所がどうしてもありそれを補完するため内部にある程度伸ばさないと断熱的には弱点になる。そこが断熱業者との見解の違いになっているのだが、業者の説明がどうしても納得がいかず、こちらで絵を書いて図面にも指示をして鉄骨部の再吹付けを施工者に依頼する。まあもちろん見積もり時には施工面積に含まれているので本来通りやってもらえばいいのだけれど・・・。ウレタン吹付けは時間勝負なところがあり、また作業者の技能でも吹き付け品質が違う。それはとあるビルダーの何十件(ホントは何百件)という検査を経験してつくづく思うところでもあった。防水などもそうで、FRPや透湿防水シート自体は問題なく施工されていても、オーバーフロー管の有無や外壁貫通部のテープによる止水処理などに差が出てくる。貫通部の役物のメーカーマニュアルなどには指示がされていても現場の作業者は知らないことも多いし、監督も知らないことも多い。こういうところは入念なチェックが求められる。建築家に仕事を頼んできれいな建物が出来たとしても雨漏りや結露、カビなどに悩まされるようでは意味が無いではないかと思う。多少疎まれてもそういう仕事だと思うことにしている。
一方で内部造作が進む。これも吹き付けが終わってからでいいではないかと思うのだが、木軸と鉄骨の取り合いもあり、ある程度組んでしまわないと逆にあとで断熱を削ることにもなり、こちらは施工者の判断で作業が進んでいる。いろいろ悩ましい判断がある。その他設備関係の仕込みもこの時進んでいる。ただ、重量鉄骨の内部に繊細な木軸が組まれる姿は美しいもので、ああこういう空間もありやなとデジカメのシャッターを切るのであった。